さんさんと照りつける太陽。賑わう街。はしゃぎまわる子供たち。私はただそれを眺めるしかなかった。王宮暮らしにはなんの不自由もない。安心して暮らしていける。でもなぜか最近はそれだけじゃ退屈だった。娯楽的なことではない。何か別のことで退屈だと思っていた。
「はぁ…今日もまたいつもと同じ。起きて、ご飯を食べて、稽古して…それの繰り返し。あーあ、つまらないわ…」
はぁ、とまたため息をついた。心底退屈そうに。
「なんか面白いことないかしら…とりあえず今日は稽古さぼっちゃいましょ…」
最近はずっとグダグダしているだけだった。稽古もサボり気味。やる気が出ないのだ。
「…そうだわ!こんな時は、あいつのとこにあそびに行っちゃえばいいのよ!」
そう思って外着に着替え部屋を飛び出した。廊下へ足を踏み出した時、部屋の目の前にいた人物とぶつかった。
「わっ…!」
「きゃっ…!」
2人して尻もちをついた。