「良い歳した大人がすることじゃなくない?まぁ…バカだからするのか」

「な…てめぇ…!」


「あ、言い忘れ。俺に襲いかかる前に、逃げたら?警察呼んだし」

「け…警察⁈…逃げるぞ!」

逃げて行く男子を尻目に風原くんは笑った。

「警察呼ぶわけないじゃん。大丈夫だった?」

優しい笑顔で近づいて来て、そっと、手を差し伸べた。

そして、力強い手で私を引き寄せた。

「気をつけなよ?遅くなる時は、遠回りでも安全な道を行くこと。ね?」

「はい…ありがとうございました!」


軽く手を振って風原くんは去って行った。

きっと、君の手を掴んだことが、私の恋の始まりだった