「市川花音さん、遅刻は良くないですよ。もっと余裕を持って来ましょうねー」


わざとらしい喋り方に、私は苛立ちを隠せない。


「ゆうが邪魔しなければ普通に間に合ったよ!」


「俺のせいじゃねぇーし。花音がイヤホンしてたのが悪いんだし!」


そう言ってゆうはポケットに入れていた私のiPodを取り出す。