勿体無い。
単純に、そう思う。
でもそれ以上は、私が口を挟むべき事じゃない。
そして必要以上に私が芹沢くんをかばうのは、もう二度と芹沢くんの評判を落とすようなマネをしないと若かりし頃に犯した罪の罪滅ぼしでもある
「飯でもいく?」
「そんな余裕あるように見えますか?」
「あ、そう。じゃあ俺帰るから。きちんと施錠しておけよ」
鬼だ。
鬼がいる。
次長は私を置いて帰ってしまった。
1人残されたフロアで、私はカタカタとキーボードを永遠と叩き続けた。
帰ってもすることがない
帰ったところで、誰も私を待っていない