振り返ると、そこにはなっちゃんがいた。



あのときと変わらない、



鈴を転がすような声。



「なっちゃん。どうしたの。」



暗闇の中、月の光だけが頼りのこの砂浜で、



なっちゃんの表情は見えない。



「見つけたから、声かけただけ..」



そのとき、月の光が急に明るくなって、



なっちゃんの顔が見えた。



困ったような、無理に笑ってるような、



儚い笑顔。



なんでそんな顔すんだよ..