高校の入学式


背が高い男子がいると、つい見入ってしまう。


なぜだろう、涼也と重ねてしまうんだ。





僕は僕を演じている。


常に笑顔で優しさを忘れない



まだ心からは笑えない

心からは笑っちゃいけないかもしれないから……



でもいつか、心から笑える日が来ることを祈って僕はこの学校に通う。





学校が始まって僕の周りにはいつも人がいた。
グループの中心というか、僕はただいるだけだけど、みんなの理想なんだと思う。


そして、今にいたる。

「城井遥くん好きです。付き合ってください」



そうやって言ってくれる人の中で
本当に中身を見てくれているのだろうか?



せっかく勇気を出してくれたけど、、

いつ何を言われても答えは決まってる


「ごめんね。僕今誰とも付き合うつもりないんだ。でも告白してくれてありがとう。」




傷つけないように、笑顔で言う。

優しさと笑顔を忘れずに




その場を去っていくその子を見て僕は教室に戻ろうとした。


けど、後ろに気配を感じていた僕は思わず




「そこで何してるの?」



声をかけてしまった。






ここで君と初めてであったんだ。



君は少ししてから
「見るつもりはなかったんだけど、告白中に音立てちゃったら気まずいでしょ?
彼女、せっかく勇気出して告白してるんだから!」



そうやって控えめにいうんだ。
そして続けて 
「えっとー、城井くんだっけ?
そんなにモテてるのに全部断るんだね」



少し驚いた。
僕の名前をちゃんと覚えていないことろだ
僕のことを追いかけてくる人と違うのだけは察した。


「そうなんだ〜
盗み聞きしてるのかと思ったよ笑
なんちゃって笑
それじゃあね!」


質問には答えず、その場を去った。