その日の夜


病室で愛梨と話をしていた


「遥はギター上手だね!
歌手になったらいいのに」


何気ない愛梨の一言

『ギター上手だね』


ギターを教えてくれたのは


【涼也】だった


中学の時球技大会の打ち上げで

体育館の舞台で涼也が

勝手だけど、やろうってなって

ギターの出来る涼也が教えてくれたんだった。


「愛梨が言うなら?笑」


僕は夢も目標もなくて


ただ愛梨のそばで


一緒に笑っていたい


そう思っていた



「遥の歌ってる姿を見たい」


愛梨は冗談のような


嘘ではなく僕の目を見て言うんだ


「また明日」

そうやって手を降る


少し寂しそうな顔をするのは知っていった


けど「明日も必ず来るから」って言うと


笑顔で「またね」



こうやって過ごすも悪くない



目を覚ましたことで


僕はまた安心をしてしまった。