桜が散り、緑色の葉がちらちらと付き始めたころ

「城井遥くん(しろい はるか)好きです。付き合ってください」



高校に入学してからもう何回目だろうか
両手だけでは数えきれないほど告白された


けど僕は誰とも付き合うつもりはないんだ



僕は幼いころ、両親を事故で亡くした。
とってもとっても優しい家族
笑顔の絶えない自慢の家族だった。


それからいつもそばに居てくれたのは
僕の親友の涼也(りょうや)だった。


なかなか部屋から出ようとしない僕を

何かしら理由をつけて僕の腕を引っ張る



そうやって毎日毎日、僕の部屋に来るんだ



はじめは嫌だった。
でもだんだんと涼也が家に、部屋に来るのを待つようになったんだ。






けどその涼也はもうここには居ないんだ。