「バスケットはお茶会をするっていうちゃんとした目的があるのだから怪しくなんてないさ。夜の海で探し物のほうがよっぽど怪しいよ。」

「自覚なしとは恐れ入るね。
まあさっきも言ったけど月の落とし物なんだから夜に探さないと意味ないだろう?」

アリスが喋ればチェシャ猫はニヤニヤ笑いで返してきた。

まあ確かにそれなら昼間に探しても意味はない。

「なるほどね。つまり君はまっとうな理由で探し物をしているのだね?…あれ、月が落とし物なんてするのだろうか?」

「まず初めに聞くところだと思うのだけどね。まあよいや。その前にに互いに自己紹介といこうぢゃないか。
僕は玉兎。以後お見知り置きのほどを。」

名乗られたら名乗り返さないわけにはいかない。

「僕は白露。」