本屋に行くと、私はすぐに新刊のチェック。

出てない、出てない・・・出てない・・・出てない。

頭の中で回る思考。
素晴らしい脳内だ。

「よし、新刊なーし」

立ち読み開始だっ!

そう思った瞬間。

「ばぁっ!」

「ぅわっ!!!」

背後から来た私の彼氏、重田だ。

「しぃ・・・げた!」

「はは、ビックリしすぎ!ってか、美織も用事あったの?」

「・・・うん。」

嘘だけど。

「ないのか?」

「ううん・・・」

嘘だけど。

「は~・・・美織は、嘘へた。わかりやすいなー・・・会いに来たの?俺に」

「・・・」

口は、開いていないが体は動く。返事をする。
うなずく。

「そかそか。でも、今日は、ばーちゃんの誕生日でさ俺、本屋におれる時間30分しかない」

「別に、一緒にいたいって言ってないけど?」

ツンデレのツンを私は出す。
別に、私自身はツンデレではないけれど。
ただ、愛しい彼といるこの時間は、大切だったから笑いたかった。

「じゃあ、一緒にいてください」

「・・・えへへ、はぁあい。」

重田めっ!この!好きすぎ。

「何買うの?」

「漫画ー」

「読むの?」

「うーん・・・いとこにあげるんだけど・・・」

「へ~・・・」

重田は、家の中でもきっと優しいのだろう。
さっきから『ばーちゃん』だったり、『いとこ』だったり。

「女の子?男の子?」

「おんなー」

「え?女の子に漫画買うの?」

「うーん・・・だって、買ってって言われたもん」

わからないな・・・その子。

「選ぼうか?一緒に」

「マジ!?ありがとーオリゴ糖~」

「はいはい・・・えっと、どれくらいのお金を使うつもり?」

「1500円~」

「ふーん」

いとこのクセに高いな。うん。

「じゃあ、漫画が3巻で終っている面白いやつだね」

「あぁ~・・・なっるほど」

「え?思いつかなかったの?」

「お、思いついてたよ?」

嘘つきめ。

「じゃあ・・・えっと」

私は、漫画好き。家には1000冊を超える漫画がある。
弟の部屋は今では私の部屋の第2弾。
だから、漫画はすべて弟の部屋にあるので、まだまだおける。
しかも、すべておもしろいから選び抜かれた1000冊を超える漫画たちだ。

「店員?」

そんなもの、私にはいらないっ!

「ううん、えっと・・・」

そういいながら、思い浮かんだ3巻で終わる漫画のとこへ重田を案内する。

ヒーローものの少女コミック。
恋愛物語の少女コミック。
友情、部活の少女コミック。

それらを見せて話し合った結果、いとこさんにあげるのは、『友情、部活の少女コミック』となった。重田らしい。

「ありがと!予定より早いな!こっち、きて!」

レジを済ませた重田は私を本屋の奥へと案内する。
奥はキッズコーナーですけど?

「イス、座れば?」

「え?・・・あ、うん?」

意味がわかりません。

ほほにあたった。

「・・・ふぇ?」

「ふぇって・・・かわいすぎ。」

今・・・キスした?