1時間目の自習時間が終わり、5分ほど休み時間をとった後先生が教卓のまで立った。
黒板に書かれた文字は、

『机の上のものをしまってください。 学級役員より』

まじめな話。
それは、私の脳内でも分かる話だ。

最近、喋る相手がいなくて一人で考えていることが多いような気がする。
・・・ヤダ。
自分で腐っていくのがわかる。
どんどん、滑り台を落ちている気分。
とてもじゃないけど、たのしいものではない。

私たちのクラスのためのチャイムがなり、2限目が始まる。

「きりー・・・」

「いわなくていい。」

珍しい。
挨拶はきちっとさせる先生なのに・・・。
さすが、おばちゃん。
こんなことがあっても動揺しないのか。

一番、動揺していないのは蒼井ちゃん。
鏡を出して、リップを塗っている。

「蒼井、それしまって。」

「は?ヤダ。」

「・・・お前は、落ちていきなさいよ。そんなこと言って、後悔しても私は知らないよ」

「うっさい。話したいことあるなら話せよ。ばばぁ。うち、マジで今不機嫌なんだよ」

先生は蒼井ちゃんを見てため息。

そして、いう。

「みんなも知っていると思うけど、このクラスでなぜか二人の死者が出ている。snsでどれくらいの情報が回っているか知らないけど決してのらない。」

・・・先生、それ全部ガセネタです。
っと言いたいところだが、言えないよねー。

「このクラスの問題だ。ほかのクラスに回さない」

・・・先生、遅いです。

「先生はこのクラスにもう死者を・・・出さないでほしい。」

・・・先生、泣き真似下手ですね。
目薬ですか?涙の色が赤いですが。

「私は、このクラスは好きだよ」

「うちは嫌い!呪われた子がいるんだよ!センセー!」

「・・・あ、蒼井?」

「ん?聞きたい?アイツさっ、アイツのまわりにいたやつみんな死んでいってるの!気づいた?」

・・・アイツとは私。
先生も何「え?」みたいな表情になってんの?
口元が緩んでます。
何?
次の職員会議に私の名前出る?
関係あるけど、それはヒドイですよね、先生。

重田ならなんていうと思いますか?

・・・だから、こんなこと考えるんじゃなくて・・・守ってくれる彼女を見る。
弱々しい表情で瞳だけを愛ちゃんに向ける。
愛ちゃんと目が合うと愛ちゃんはニコッと優しく笑い、立ち上がる。

「それって、おかしいんじゃないの?先生も、蒼井も」

私には最強の仲間がいるんだよ。