「美織ー起きなさいよー」

母の声で起こされる。
・・・私は、生きてる。
でも、重田はいない。

「美織!重田さんって人きてるのよ」

いきなり、ドアを開けて何を言うのかと・・・思えば。

私は髪の毛をしばって、急いで階段を下りる。
「すいません・・・ちょっと寝てました」

「いいのよ!・・・ちょっといいかしら?」

「えぇ、もちろん」




「あのこのこと、愛してくれたならば本当に嬉しいことなの。だから、私はあなたがいてくれてうれしいのよ?」

「・・・あ・・・」

「いいのよ、あの子が死を選んでしまったのだから・・・けれど、あの子は新聞で書かれたのよ、犯人を捕まえたってね」

重田・・・重田。

「ありがとう」

涙が止まらない。
重田に会いたい。
重田と手をつなぎ、ギューして、キスをして。
もう、伝えられない。
この愛しい気持ち。
もう会えない、重田と私は。

「会えるわよ、あの子とあなたは・・・来世で」




重田の母親は、気を使って来世という言葉を選んだ。
天国であえる とかじゃなくて・・・。

枕は濡れている。
・・・涙は止まらない。

右手に持っている携帯も、もう重田からの着信は来ない。
重田が好きだった・・・。
重田は無理やり私と付き合った なんて嘘なのに。
私も重田があの時はもう好きだった。
最後まで、重田は私に害のないこと、ない道を選んでくれた。


ブブブ・・・


・・・・誰?

「あ・・・」

思わず、声が出る。



愛:みお~(≧◇≦)重田、死んじゃったんでしょう?聞いたよ~

文字が・・・踊ってる。

愛:栄養失調だっけ?

・・・文字が・・・

愛:アレ、愛が抜いたんだよ~えへへ~重田は死ななかったな~

うそ・・・でしょ?

愛:愛は、あの運転手さんにバッタリ会っちゃって、言わないから重田を殺せって命令したんだけど、重田は体がいいね~もう。。。

愛:だから、愛が抜いてあげたんだよ?て・ん・て・き。重田は最後まで止めてたから点滴の近くに手があってまるで重田が抜いて力尽きた・・・みたいになったんだよね

愛:これで美織はアイのものだね