愛ちゃんは私と重田の食事を『最後』と言った。

それは、健二みたいに私か重田を殺す・・・という意味なのか、ただ2人の時間を愛ちゃんがなくす・・・という意味なのかは私も重田もわからないまま、無言で食事を終えた。

「・・・まぁ、言わなきゃならねー時がさっきだったってことだよ。ワリーな」

「ううん、別に・・・。私もその通りだと思う」

教室に知れ渡っていても別にいっかって思える。

ガラッ

「あ、おかえり~2人の食事はどうだった?」

「お前ら、マジで付き合ってたんだな」

「それな~ってか、蒼井、演技うまい!」

「えぇ~・・・まぁ、あんがとっ!」

・・・本当に知れ渡ってた!

「うん、付き合ってるよ。悪い?」

重田が言った。
私をかばうように私に背を向け、私の一歩前で・・・。

「いや!いいフインキだと思って!」

「そ、付き合ってるからねー・・・あ、もしかしてピンクオーラやばかった?」

「ギャハハハハハッ!うけるーーー重田、お前は・・・プププ」

重田は、冷やかしを見事に笑いに変えてしまった。
でも、言えない。

今、付き合っている理由が私の罪を共に背負ってくれていることなんて。

「ぁいちゃん!」

裏返ったぁあ・・・。

「うん?」

「ちょっと・・・いい?」

「いいよ、美織!」

私と愛ちゃんは再び屋上へ向かった。

そして、屋上のカギを開け、中に入る。
屋上にはベンチが二つある。
私は一方に座り、愛ちゃんは、柵の方へ行った。
遠い距離ではない・・・から、話すことを決意する。

「愛ちゃん、私が重田と付き合っている理由ってね・・・私が愛ちゃんに健二・・・さんを殺せって命令して、私も愛ちゃんと同罪だと思ったから・・・それで、怖くなってその時に重田が一緒に罪を背負うって・・・言ってくれて嬉しくて、付き合ったの。」

「ふーん・・・じゃあ次、愛の理由とかね、愛はー、美織が好きだから美織の言うこと聞こう!って思いがあってね?でも普通それだけで人殺さないでしょ?本当に殺した理由は、



愛と一緒に罪を背負ってもらうため。」


・・・え?

「美織は、愛が殺した直後愛の将来ばっかり心配してたけど、美織が心配している通り美織の将来だって普通にヤバいよ?・・・なのに、美織全然気づかないし?・・・気づいた!って思ったら重田と罪を共有してるからさ~・・・もぅ」

「・・・それって・・・」

「つまり、愛にとってこの計画は一石二鳥だったの、健二を殺せて、美織と特別な関係になれる予定だったのに・・・美織が裏切ったから、予定変更。」

「何を・・・変えるつもり?これでいいじゃない!」

「どこがいいのかわかんないよー・・・変えるとこくらいは教えてあげるよ。人を一人殺した。だから、二人殺してもあまり罪は変わらない。言いたいこと、わかる?」

「ま、まさ・・・か」

「そう!そのまーさーか♪ 」









「愛は完璧な人殺しになる、一緒に罪を背負おうね、美織。あなたの愛する重田を愛が殺す。でも、美織は愛が殺したって言えない。なんで?だって、健二の時に美織が愛に命令して殺させたから。自分の罪も言うことになるから。止められないはずだよね。ミオ」