健二の事件はいろいなニュースでトップニュースとなるレベルまでいった。
新聞まで取り上げられ、私の通っている学校にもとうとう記者が大勢来ることになってしまった。

「朝から、校門入れないし、超最悪やー」

「ほんとに!まー、菜々子が来るのがギリっていうのもあるけどねー」

「桜・・・何?」

「あ・・・」

「まぁまぁ!そんなことより、あの事件、すごい難関なんでしょ?」

・・・柚ちゃんが言った。
でも、私と重田は犯人を知っている。
頭を使って行うこの事件。

だけど、その人を殺す道具はどこにやったのだろう。






「え?捨てたよ。健二のポケットの中に入れて。」

答えは、愛ちゃんが答える。・・・当たり前か。

「まぁ、そんなことはどうでもいいけど!美織!大丈夫?何も言われてない?」

「あ・・・うん」

「よかった・・・」

愛ちゃんは、友達を大切にする人。
それは、こんな自分の弟を殺してでも出てくる場面。

「記者の一人を殺せば、もう来ないかも・・・しれないね」

愛ちゃんが不意に言った。

「はぁ?田村、どー考えても余計くるだろ!?しかも、この学校って特定される」

「んー、そうだね。やめよーっと」

・・・これじゃあ、私も重田も殺人にかかわっているみたいじゃない?
まぁ、関わってるっちゃ関わってるけど。
これじゃあ、一緒に計画立ててるみたいだよ。


「田村さーん、元気出た?」

あ、保健室の先生だ。

「あ・・・いえ、まだちょっと気持ち悪いです・・・。あの、健二が死んだ・・・じゃないですか・・・?・・・私、人を信用できなく・・・て、今はこの2人・・・に、相談してます。」

驚いた。
愛ちゃんは女優だ。

涙が流れている。

「わかったわ。あまり、ここに来ないほうがよさそうね」

「・・・はい。」

「私からも、先生方に言っておくから田村さんは大丈夫になったら教室においで」

「ま・・・だ」

「大丈夫になったらでいいのよっ」

「・・・ありがと、先生。あの!・・・記者の人たちが屋上から見ていて・・・すごく気持ち悪いんです・・・」

「あ・・・あぁー・・・えっと、言っておくわ」

「・・・はい。」

愛ちゃんの表情が少し変わった。
まるで・・・

``お前じゃ無理だ``

というかのように・・・。