重田から、連絡先を交換した日。

愛が、異常に優しかった。
私が、持っているものとか、持ってくれたり・・・。

少しおかしく感じたけど、愛は決まって『愛がしたいだけだよ』という。
そう言われたら、何もできないよねって自分で思う。

そして、学校が終わると秘密で重田と、弟・優 の事故現場に向かう。
でも、愛にはバレないようにお互いに宿題を学校でしているフリをして愛が帰るのを待つ。

計画は完璧だと思ってたんだけど・・・。

「ねぇ、どうして帰らないの?」

愛は、かばんを持って私に聞いてきた。
ヤバ・・・。

「えっと・・・私の家、今エアコンが壊れてて・・・だから、ここで勉強して家ではすぐネルーみたいな!」

「ふーん・・・じゃあ、うちでする?」

「いや、いいよ!ありがとうっ!愛」

「ううん・・・」

愛は少し不満げな顔をして教室から出て行った。
窓から愛が校門を出たら、私と重田は準備を開始するという予定。

・・・だけど、愛が一向に出てこない。
なんで?

ピロン

重田:アイツ、出てきた?

あ、重田から・・・。

ミオ:まだ。なんでだろうね・・・。

ブブブ・・・

あ、重田・・・マナーモードに設定してるんだ。
私、してなかったな。

ピロン

重田?返信、早いな・・・。

え・・・。






愛:ねぇ、いつまでそこにいるの?重田もいるよね。重田のこと、私嫌いなんだけど。




愛・・・?

ピロン

愛:したにいるよ!帰ろー

無理だよ。今日は・・・。

愛:ねぇ、既読無視はひどくない?

あ・・・

ミオ:ごめん!今日はマジで家に帰りたくないわー

・・・どうしよう。どうしよう。

愛:じゃあ、待ってよーかな。

・・・どうすれば・・・

「どーした」

・・・し、重田!

「・・・こ、コレ」

「ん?」

重田は私と愛のトークを見る。

「・・・ふーん、やっぱ、アイツ俺のこと嫌いなんだな」

「あ・・・」

「いや、別にー気にしねーよ」

・・・ごめんなさい。

「んじゃ、俺はその気持ちを断ってお前と帰る。ワリーな」

「え?」

「行くんだろ?弟・・・の」

「し・・・げた」

「ん?」

``ありがとう``

「いこっか」

「おう」

愛には、

ミオ:重田と帰ることになったからゴメン

と送った。
玄関に行くと、愛の姿はなくて走って私と重田は事故現場に向かった。