『俺は行かせたくない』 『でも、行かなくちゃ。わたしならできるもの』 彼の腕があすかの身体を抱きしめる。 心配は痛いほどわかったが、終わらせなくてはいけない。信頼して託してくれる、柳主任の期待に応えなくちゃいけない。 『……わかった。俺は……外で待機してる。何かあったらすぐに……』 『わかってる。あなたはわたしを守ってくれるって、わかってるから』 『無事に帰ってきたら……』 『うん、その時、あの返事をするわ』