ふいに、昴が真剣な表情になる。


そして、ブランコに座ったままの私の前にひざまづく。


昴のポケットから出された紺色の指輪ケース。


その中には綺麗なダイアモンドがあしらわれた指輪があった。




「……この5年、梨子の事忘れたことはなかった。

5年前は、まだガキで将来に何の保証も自信もなくて梨子を連れていく事も、待っていて欲しいとも言えなかった。

梨子と別れるしか出来なかった。


でも今は違う。


今なら言える。俺は一生をかけて梨子を幸せにする。今なら自信がある。


その為にこの5年間、必死にやってきた。


梨子。確かに俺達の間にはブランクがあるけど。俺はまだ梨子の事が好きだ。気持ちはあの時と変わってない。


結婚を前提に、もう一度始めないか?」