「また、な」
「うん……」
“次は”話をして、と言う事だろうか。
それとも、ただ普通に?
扉から体を先に出した祐也が、「お前携帯ぐらい出ろ」と言い残し。
玄関の扉は閉ざされた。
鍵を閉めた後、一人リビングに腰を下ろす。
祐也からの電話。
タイミングが良かったのか、悪かったのか。
話をすれば……
少しでも現状が変わっていた、なんて。ドラマ的展開を期待してるわけじゃないけど。
慶太郎の事が少し分かって、お互いの距離が詰まった気がするのは、私だけじゃない筈。
ペットボトル。
買い足さなきゃな。
立ち上がり、部屋着を手にお風呂場に向かう。
体を洗いながらお湯を溜め、湯船に足を浸ける。
久しぶりに肩の力が抜けた気がした。