程なくして聞こえてきたのは爆音バイクの音。


エンジン音が消えたかと思えば、数秒後。



「おい!ここ開けろ!」


き、近所迷惑もいいところ。
大声で扉を叩く声の主は、間違いなく祐也で。


「麻衣ちゃん、ちょっと感じた声出してみて」

「はあ?!」


ケタケタ笑う慶太郎が、家の鍵を解除した途端。
勢いよく開かれた扉。


「焦り過ぎだし。あはははっ」

「焦ってねえ。事後?」

「俺年下苦手~。知ってるだろ」

「いや、まあ、それは……」


しどろもどろに受け答えする祐也の額が光っていて。

バイク乗ってきて何で汗かくんだろう、と。
二人のやり取りをみていた。


すると。
ニヤニヤと笑う慶太郎から、祐也の怒りが私に向く。