(な、なぬぅー!!)




自分の知り合いが告白をされていると、こんなにも緊張するものなのか。




(いや、ちがう...


告白されてんのが、冬真君だからだぁ~!!)




私のドキドキはきっと、あの女子生徒のドキドキと同じぐらいあるだろう。

私はジッと、冬真君の背中を見つめる。




(返事は?!

ねぇ、なんて答えるの、冬真君は?!)




緊迫した空気の中、冬真君が口を開いた。




「それって、君が俺の彼女になるってことだよね?」



(あっ、あたりまえじゃんっ!!)




そんな冬真君の言葉に、私は陰からツッコミを入れる。

困ったような表情をした女子生徒が、さらに顔を赤らめる。




「う、うん。

そうだけど...」




「じゃあ、...ゴメン。

俺、彼女とか作れないんだ。

気持ちは嬉しいんだけど、ほんとゴメンね。」




冬真君のその言葉に、無神経ながらも私は、ホッと胸をおろす。

若干泣き出しそうな女子生徒は、うつむきながらも必死で笑顔を作る。




「そう、だよね。

ご、ごめんね、なんか。

気にしないで。聞いてくれて、ありがとう。」




そういった女子生徒は、逃げるように去っていった。




(なんか、ちょっとかわいそう...

こんなの見て安心するなんて、私ちょっと最低かも...)




一人になった冬真君は、ふぅと溜息をついた。




「...めんどくせぇな~、女ってのは。」




その言葉に、私はヴッと衝撃を受けた。




(こっちのほうが、よっぽど最低だよ!!)