何かを探るように、由夏がじーっと私を覗き込む。
「も、もう!私に何言わせたいの?!」
「べーつにー。」
――― キーン コーン カーン コーン
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
みんなが、ゾロゾロと席に着く。
そんな中、私の視線は、自然とまた彼のほうに向けられていた。
(なんか、気になる...。)
私の視線に気づいたのか、不意に、彼と目が合った。
――― ドキッ
私と目が合うと、彼はニコッと笑顔をくれた。
私はすかさず、目をそらす。
(び、びっくりした...)
それからというもの、私のやかましい胸のドキドキは、なかなかおさまらないのだった。