次の日、公園ではしゃぎまくった俺たちは、クタクタになって家に帰る。
夕暮れの道を歩きながら俺は、日葵が作ってくれるゼリーが楽しみだった。
(俺ってやっぱ、子どもかな。)
隣で手を繋いで歩く日葵を、見上げる。
あんなに嫌っていたニンジンを食えるようになったのも、日葵のおかげだ。
(母さんがどんなに頑張っても、ダメだったのにな。)
ふと、母さんから逃げ回る自分を思い出した俺は、思わずふっと笑った。
「ん?
どうしたの、レオ君?」
日葵は、こんな俺を、無意識に少しずつ変えていた。
悪夢の過去も、不安な未来も、今を幸せにする日葵が、忘れさせてくれる。
(コイツなら、信じられるかもな。)
「ありがとね、おねえちゃん。」
そういって俺は、日葵の手を握る小さな手に、少し力を込めた。