「どうしたの?何だかうれしそうだね。」
そういって私の顔を覗き込むのは、親友の由夏だ。
由夏とは幼稚園からの幼馴染で、私の大親友だ。そして私が唯一、「さん付け」をせずに名前を呼べる存在でもある。
「いや、今日うちにくる子、どんな子だろうな~っと思って。」
「あぁ、メールで言ってた「新しい家族」の子?」
「そうそう。」
「なーんだ。あたし、てっきり今日来るイケメン転校生の事考えてたのかと思ったわー。」
「それは、私じゃなくて由夏でしょーが...」
「バレた?」
「バレたも何も、昨日から由夏、その転校生の事ばっかじゃん。
ていうか、転校生が男子だとしか先生言ってないのに、なんで由夏はイケメンだってわかるのよ。」
「フフン。それはね日葵、昨日、転校生の話を聞いたとき、この由夏様のイケメンレーダーが久々に発動したのよ!!」
「転校生がイケメンって、漫画の読みすぎじゃない?」
由夏は、若干、オタク女子だ。
「さては日葵、私のレーダーを信じてないわね?
見ていなさい。あなたは今日、私のレーダーのすごさを思い知るわよ。」
「はい、はい。」
そんなくだらない話をしているうちに、教室についていた。