ゴロゴロとソファーでくつろいでいると、玄関のチャイムが鳴った。

時計の針は、9時をさしていた。




「こんな時間に、誰だろう?」




私は起き上がって、玄関へ向かう。

ドアの穴を覗くと、一人でポツンとレオ君が立っていた。




「レオ君?!」




その姿を見た私は、急いでドアを開ける。




「どうしたの、レオ君?!

忘れ物?」



「ううん。」




そういったレオ君は、ドアに手をかけたままの私の腕をくぐり抜けて、家に入る。




(なんか、あったのかな~?)




ドアに鍵をかけ、レオ君のあとを追いかける。

ソファーに座ったレオ君は、背負っていたリュックをおろしていた。




「どうしたの、レオ君?

なんかあった?」



「それがね、タカシ君のおイヌさんが、急に元気なくなっちゃったみたいなの。」



「それで、帰ってきちゃったの?」



「おイヌさん、おいしゃさんに会わなきゃいけないから、「じゃあ、レオ帰るね」って。」



「そっかー...」




そういって落ち込むレオ君に、私はニコッと笑いかける。




「元気出して、レオ君。

タカシ君と遊べなかった分、お姉ちゃんと遊ぼう!!」




私がそういうと、レオ君は顔を上げ、ぱあっと明るくなった。




「うん!

ぼく、手洗ってくるね!」



「うん!」




そういったレオ君は、ソファーから飛び降りて、走って行った。




(ちょっと、嬉しいかも。)




そんなレオ君を見て、密かに喜ぶ私だった。