そうして育った私は、人見知りが激しく、友達もなかなかできなかった。


クラスメイトをを呼ぶ時でさえも「名字にさん付け」で呼んでしまうため、周りはきっと堅苦しい感じがして、私と距離を置いたんだろう。


それに合わせて、外見までもがメガネのクソ真面目だから、クラスではかなり浮いている。



そんな私は、「恋」がどんなものなのか分からない。


告白もされたことはない。

(まあ、特別カワイイわけでもないから...)


私自身も、異性と話すだけで緊張してしまう。


「好き」という感情を抱いてみたいと思いながらも、きっと、私の青春は音もなく過ぎていくことだろう。




(運命の人って、私にもいるのかな...)




「いってきまーす。」




そういって私は家を出た。