そんな私たちの会話には気にも留めずに、隣でさっさと支度を終えた小田桐君が立ち上がった。
「じゃあね、日葵ちゃん!」
「あ、うん。バイバイ。」
そういうと、小田桐君はさっさと帰ってしまった。
そんな小田桐君を見て、ふと何か思い出した様子の由夏。
「そういえば。
小田桐君ってさ、来るときは日葵と来るのに、なんで帰るときは一緒じゃないの?」
「さぁ、なんでだ...」
その瞬間、私の脳に、あの日私が目撃したシーンがフラッシュバックする。
「あっ!!」
「な、なに?!」
急に立ち上がった私に、ビックリする由夏。
「ゴメン、由夏!
私、先行くね!!」
「えっ? ちょっと待っ...」
状況が呑み込めていない由夏をおいて、私は教室を飛び出した。