「明日から三連休だからって、気ィ抜くんじゃねぇーぞー。
宿題、いっぱい用意してやったから、ちゃんとやって来いよ~。」
いつものやる気のなさそーな澤田先生が、帰る支度をしている生徒たちに呼びかける。
私はカバンに物をしまいながら、待っている由夏に連休の予定を聞く。
「由夏、連休どっか行く?」
「あ~、ゴメン!
私んち、家族旅行いくことになってんの。
日葵はどっか、行かないの?」
「それがさ、明日、うちの親の結婚記念日でさ...。
それじゃあ私は、レオ君と二人で留守番かな~。」
そう落ち込む私を見た由夏が、肩をツンツンとつついて、小声で言う。
「小田桐君、誘ってみたら?」
「む、ムリ、ムリ、無理!!
うちのお母さんの教えは、
『女性は常に受け身であるべき。』
なんだから。」
「へぇ~、きっびしー。」