あの保健室から、1週間がたった。
冬真君の姿は、あの日、目を閉じる前に見たのが最後で。
教室にも、家にも、どこにも冬真君のすがたはなくなっていた。
あのあと高熱を出した私は、救急車で病院に運ばれ。
お父さんとお母さんにレオ君の事を聞いて、帰ってきた答えはというと。
「レオ君、イギリスに帰ったんだ。」
わからなかった。
いなくなった理由も、私に会いに来ない理由も。
――― もうひとつ、のちに剛から知ったこと。
冬真君が消えた日、クレアちゃんも同時にいなくなったと。
一日、そしてまた一日。
毎日、毎日考えて、最終的に私が出した答え。
『冬真君は、自分のせいで私がひどい目にあったと思い、私の前に二度と姿を現さないと決めた。』
そんなことない。そんなわけない。
でも結局、それ以外の答えは見つからなかった。
冬真君はもう、帰ってこない。