「イジメが...なくなった?」



「うん。

冬休みが終わってからなんだけど、それからバッタリなくなって。」



「よかったじゃん。

あの人、もう諦めたんじゃない?」



「そうならいいんだけど...

あんまり急だから、逆にってゆうか、不思議っていうか...」



「あんなにあきらめ悪かったんだもん。

確かにチョット、怪しいよねぇ...」



「まさか...」




私はクリスマスの朝、階段で聞いてしまった冬真君の電話中の会話を思い出した。




(「もうすぐ会える」って、だれにかな...)



「日葵?

ひーまーりー?」



「ん?」




心配そうに、由夏に顔を覗き込まれた。




「どうしたの?

なんか、ボーっとしてたけど。」



「いや、ちょっとなんか思い出してて...」



「ふぅーん...

で、『まさか』ってなに?」



「あぁ、あれ?

なんでもない。」




(本人に、真正面から聞いてみようかな...)