――― クリスマスの朝。
起き上がった私の目に真っ先に飛び込んだのは、勉強机の上に置いてある、手のひらサイズのグリーンの箱。
かわいくリボンで結んであって、一目で『プレゼント』だと分かった。
「カワイイ~!」
私は待ちきれず、すぐさま箱を開けてみた。
箱の中には、雪の結晶が揺れるかわいいブレスレットと、メッセージカードが。
メッセージカードには、きれいな英語のつなげ文字で『Merry Christmas』と書かれていた。
私は一目で、それが誰の字かが分かった。
「お礼、言わなきゃ!!」
私は寝起きのパジャマのまんま、部屋から飛び出して階段を下りる。
「...うん。」
(あれ?
...冬真君、電話中っぽい。)
「...うん。
もうすぐ会えるから。
...じゃあ、元気でね。」
受話器を置く音がして、私はとっさに階段の陰に隠れた。
(もうすぐ会えるって、どうゆうこと?
誰と会うの?)
せっかくの私のクリスマスの朝は、疑問が渦巻いて埋もれてしまった。