人間というのは、恐ろしいもので。


幸せな時と不幸な時の、時の流れるスピードを勝手にコントロールできてしまうのだ。




私の12月は、いつもの2倍速ぐらいの速さで過ぎ去った。

無事に終了式も終え、冬休みに突入。


そして、いよいよ今日は、待ちに待ったクリスマスイブの日。



...なのに。




「なんで冬真君、風邪ひいちゃうのさぁ~...」




薬局からの帰り、一人ブツブツとグチっている。


今日の朝に計った体温は、『39.6°』と。




(まぁまぁ、あるではないかぁーーー!!)




がっくり肩を落としたまま家に入って、冬真君の様子を見に行く。




「レオ君、大丈夫?

寒くない?」



「大丈夫だから、ほっといて。」



(キィ―!!

なぜ強がるのだ!!)



「人がせっかく心配して...」




なにも言わずに、レオ君はそのまま眠ってしまった。




「楽しみにしてたのになぁ~...

このワガママ坊っちゃんのせいだ。」




そういいながら、私は赤く火照ったレオ君のほっぺたを、指でツンツンとつついてやった。