――― その日の帰り道。




「冬真君ってさ...」



「ん?」



「クリスマス...とか、どうすんの?」



「俺、クリスマス嫌い。」



「えっ...」



(いきなり、バッサリ...)




冬の空を見上げながら、夢のない理由を語りだす冬真君。



「第一、サンタってなに?


あんなデブいおっさんソリに乗っけて、山のようなプレゼントを配る?

トナカイなんて飛ぶどころか、地上でもフツーにギブでしょ、ギブ。


てか結局さ、クリスマスプレゼントって親が準備してんだろ。

サンタ信じてるとか、マジないわ。」



「も、もう、やめてくだせぇ...」




心をズダズダにされた私を横目で見た冬真君は、ふっと微笑んだ。




「...っていったら、誘わねぇの?」



「えっ?」



「ポケットん中。

行きたい場所、あんだろ。

誘えよ。」



「う、うんっ!!」





今年のクリスマスは、初めて彼氏と過ごせそうです。