「たとえばね、ココの『日本一デカいクリスマスツリー』に、紙に書いたお願い事を、一緒に小さいプレゼント箱に入れてイブに飾るでしょ。

で、次の日のクリスマス当日に箱がなくなってたら、お願い事が叶うとか!!」



「いいねぇ~!」



「それから、ここはね...」



「なに、騒いでんの。

やかましいんだけど。」



「あっ、起きちゃった...」




隣の机で伏せて寝ていた冬真君が、迷惑そうに顔を上げた。




「ご、ごめんなさいっ!

なんでもないですっ!!」




私のアイコンタクトに気づき、サッと紙を隠した由夏。




「...いや、絶対あるだろ。」



「ない、ない、ない!!

ねーっ、由夏!」



「ねーっ、日葵!」



「はぁ~...」




呆れたような冬真君は、また机に伏せてしまった。




「...これ、日葵にあげるから。

思い切って、自分から誘ってみたらどう?」




由夏はそういって、小さく折りたたんだ紙を私の胸ポケットに差し込んでから、歩いていった。




(自分から、ねぇ~...)




隣にいる冬真君を見つめて、私はどう誘おうかと作戦を練り始めた。