だが、私が動じないと知ると、イジメはどんどんエスカレート。
「あれ?
ない...」
「どうしたんだよ。」
「う、ううん。
筆箱、どっかになくしちゃったかも...」
「しっかりしろよ、もっと。
最近おまえ、しょっちゅう物なくしてんぞ。」
「...そうだね。
もっと、ちゃんとしなきゃ。」
毎日消える、私の私物。
それは毎回必ず、学校のどこかのゴミ箱の中にあった。
「あった...。」
「あったの、日葵?」
「うん。」
こんな私にも、まだ『由夏』という大親友がいる。
「いっつも、ゴメンね。
こんな迷惑かけてばっかで。」
「私はいいけど...
もう、このこと冬真君に言ったら?」
「それだけは、絶対にダメ。
そんなことしたら...」
(冬真君のためにならない...)
「あぁ~もう、わかった!
わかったから、そんな顔しないでよぉー!!」
「ふふっ、うん。」
由夏にはこれだけしか言えないけど、それでも由夏はずっと私の隣にいてくれた。