睨みあう二人の視線がぶつかり、火花が散る。
「まぁまぁ、二人とも...
落ち着いて話そうよ。」
「こんなヤツ、相手にもならない。」
「あたしもアンタみたいなの、相手にしないから。」
そういった由夏は、私のほうに向きなおり、抑えた声で話す。
「あのウワサ流したの、絶対コイツだよ。」
「そんな、まさか...」
「えぇ、私よ。」
由夏の声が聞こえたのか、クレアちゃんが割り込んできた。
「ほら、やっぱりね...」
そういった由夏は、そんなクレアちゃんをキッと睨む。
「よくも日葵にそんなこと...」
「ふふっ。
まだこんなのは、ただの始まりよ。」
「始まり...?」
「そうよ、日葵さん。
これからもっとキツくなるから、覚悟しといたほうがいいかも。
じゃあ、またね。」
ニッコリ笑ったクレアちゃんは、それだけ私にいい残して、立ち去った。
「なんなの、あの女。
大丈夫だよ、日葵。私がついてるからね。」
「うん。
ありがとね、由夏。」
――― その後、私を待ち受けていたもの。
それは私の想像をはるかに超える、悪夢の日々だった。