私はレオ君を部屋まで送り、ベットに寝かせて毛布を掛けた。
「...じゃあ、おやすみ。」
「うん。おやすみなさい。」
そういって私が部屋から出ようと後ろを向いたとき、レオ君の小さな手が私の手をとった。
「日葵。
...あんまり、悩み過ぎんなよ。」
「...うん。」
レオ君の手がそっと離れ、私は振り向かずにそのまま、部屋から出た。
静かに閉めたレオ君の部屋のドアに、私はそのままもたれかかった。
(悩むなって言われても...)
冬真君はきっと、私の性格を全部知りきっている。
だからこそ、最後にああ言ったんだ。
「もう私、クレアちゃんのこと嫌いになんてなれないよ...」
私の心には、なんだか大きな雲がかかったような気がした。