「あのっ!

クレアちゃん...だよね?」



「...あんた誰?」




そういった彼女は、その顔ではありえないほどの冷めた目で私をみた。




(...えっ?)



「...ってか、普通に日本語話せてるしっ!!」



「だからなに?」



「だからなにって...」




私は一つ小さな咳払いをしてから、体勢を立て直した。




「冬真君と私は、つっ...」




まさかのタイミングで、私の本能が発動してしまった。




(いっ...言えない!!


女の私が堂々と、

「付き合ってるんですぅ~!!」なんてこというなんて、

〔篠原家のお母様〕の教えに逆らうことにっ...!!


うがぁ~、私のバカーーー!!!)



「つっ、つっ...」



「なに?

はやく言ってくんない?」




私はイラつくクレアちゃんに睨まれ、言葉を詰まらせてしまった。