クラスが違ったのが最大の運だったものの...
スキさえあれば、ところかまわず現れては冬真君にベットリ。
冬真君ラブの女子生徒も、パニック&ファイヤー状態だが、それ以上にキテいるのは私だ。
(こんな人が、冬真君の許嫁だとは...)
ところかまわず抱きつくなどということは、いい加減本当にやめてほしい。
(よしっ!
真っ向勝負だ!!)
後ろから走ってきたクレアちゃんは、やはり冬真君に抱きついた。
「レオ~!!」
「離せっ!
気色わりぃなっ!!」
「What is KISHOKU?
Is that food??
〈キショクってなに? 食べ物なの??〉」
そして私の最大のイライラポイントは...
(なんで英語でベラベラ話すんじゃいっ!!)
「おまえ、日本語しゃべれんだろ。
英語やめろよ。」
眉間にしわを寄せた冬真君も、イラついているようにみえる。
でも、それが通用しないのが『クレア』という名の人間なのだ。
「レオ、ドウシテangry?〈怒ってる?〉
クレア、アナタノfiancee〈フィアンセ〉デース。」
そういって彼女は、エメラルド色のクリックリした目で冬真君を見つめる。
(もう、我慢の限界っ!!)