「私にとっては大問題だもんっ!!」
由夏には、冬真君が『ゲット・ビッガー』だということだけは隠して、私は不満をぶちまけた。
「なるほどねぇ~。
どおりで日葵があんなになるわけだ...」
剛とはあの日から少し距離をおいてしまっていたが、由夏はというと、剛との間に起きたことを知っても「しょうがないよね。」と、私と冬真君のことを応援してくれている。
「で、どうするの?」
「えっ?
どうするって...」
「だって、日葵は冬真君の彼女なんだよっ!
『許嫁』がいて日葵と付き合ってるなんて、なんか遊ばれてるみたいじゃん!!」
そんな友達思いの由夏は、本気で私のことを心配してくれている。
「遊ばれてるわけじゃないと思うんだけど...」
(遊びの相手に、あんな秘密話さないよね...)
「ダメだよっ!
こういうことは、白黒ハッキリつけなきゃ!!」
そういう由夏は、もうすでに私以上にプンスカしていた。
「ありがとう、由夏。
ちょっといろいろ話してみることにする。」
「甘やかしちゃだめだよっ!
女はガツンと!!」
「うんっ! ガツンと!!」
そんな由夏のおかげで、私はどんな壁も乗り越えられる気がした。