――― チーン。
私の脳には、この一音だけが鳴り響く。
(...どーゆーこと?)
立ち止まった私の脳内で、『日葵ストーリー登場人物関係図』が作成される。
私と冬真君は、ピンク色の『恋人』という線で結ばれる。
だが、その冬真君から今までなかった新たなピンク色の線が伸び、そこには『許嫁(?)』の文字が。
(許嫁...
いいなずけぇ~?!)
「ちょっと冬真君?!
説明してくださいな!!」
「なんだよ、騒がしいなぁ~。
なんのことだよ。」
「だ・か・ら!
その『許嫁』というのを!!」
「はぁ?
『許嫁』の意味もわかんねぇの、おまえ?」
冬真君は眼で「バカか?」というように、眉間にしわをよせる。
「だから『許嫁』ってのは、
カンタンに言えば『幼いころからの婚約者』って意味だよ。」
「ふぅ~ん、なるほど...
って、そうじゃなぁーーーい!!」
それからあれこれと話し、私が知ったこと。
冬真君はゲット・ビッガーになる前、つまり5歳になる前に一度だけ会ったきり、その『許嫁』とは会っていないらしい。
だから、そんなに気にしていないらしいが...