「おじさんとおばさんも心配すんだろ。」っていって、結局家に帰ることになった私と冬真君。
帰り道はなんかちょっと緊張しちゃって、二人とも会話がなかったけど...。
でも、それもそのはず。
(だって...手、繋いでたんだもん。)
私は自分のベットの中で、こんな日の夜にまだ一人、眠れないでいた。
たしかにこの前にも、手は繋いだことあったんだけど。
(『彼氏』ってなると、やっぱり違うかも...
てか、そんなことよりっ!!)
あの後、私だけは普通に家に入って、冬真君はというと「窓から部屋に入る。」なんて言って、家の裏に回っていったんだけど。
「大丈夫かな...」
やっぱり、ちょっと心配になる。
ちょっと部屋も覗いてみたが、そこに冬真君の姿はなかった。
(どこ行っちゃったんだろう...)
あいにく、こんな遅くに帰った娘を、お母さんはもう逃がしはしなかった。
だからいまこう、ベットの中で眠れない自分がいるのだ。
(明日になったら...会えるよね...)
そうこう考えているうちに、スタミナを使いきってしまった私は、いつしか深い眠りの世界へと吸い込まれていった。