聞きなれた声。ずっと探していた声。
少し乱暴な言い方だけど、そんなところが彼らしくって。
空耳かと思い、私はハッと顔を上げた。
「...れっ、レオ君!!」
冬真君の制服を、だぼだぼに引きずったまま立っているレオ君。
私は思わず、抱きついた。
「うわっ!
ちょっ、なにす...」
「もうっ、会えないかと思ってたっ!
どこ探しても全然いなくってっ...」
「...日葵。
おまえ、泣いてんの?」
「うっうぅ...」
(こんなぐしゃぐしゃな顔、見られたくない...)
そんな私の思いとは真逆に、レオ君は私の顔をすくいあげた。
「やっ、見なっ...」
「見せろ。
おまえの泣いてる顔も、怒ってる顔も、どんな顔でも、俺だけには見せろっ!」