「...いなくっ、...ならないでっ!」
私の思いと願いがそのまま、言葉になって口からでた。
どこに探しに行こうなんて、目的地は決まっていなかった。
ただただ必死に、走り続けた。
知っている限りのレオ君のお友達の家。
どこの家にも、レオ君の姿はなかった。
学校の前、駅のホーム。
よく行くところは全部探したけど、やっぱりレオ君はいなかった。
いつの間にか空は真っ暗で、私は一人、住宅街の中をさまよっていた。
せっかくこらえていた涙も、ボロボロとこぼれ落ちてきてしまった。
「もうっ、あそこしかないよぉっ...」
あの休日に二人で行った、あの公園。
あの後『ゲット・ビッガー』のことを知ったから、あれっきりあの公園には行っていなかった。
(お願いっ!
冬真君が、いますようにっ!!)
夜の道、ただひたすら風を切って走っていく。
頬に垂れた涙のしずくも、風がはじいて乾いていった。
私の足が止まったのは、街灯が照らす真っ暗な夜の公園。
呼吸もままならないまま、私は公園に飛び込んだ。