「...レオ君が、帰ってない?」



「そうなのよ~。

友達のうちにでも遊びに行ってるのならいいんだけど...」




お母さんが心配そうに、首をかしげる。



でもそれ以上に、私の胸は騒ぎだしていた。




(レオ君が...いや、

『冬真君』が、家に帰ってない?!)




「...私、探してきますっ!!」



「えっ?

ちっ、ちょっと、日葵?!」




玄関にカバンを置いて、私は制服のまま、走り出した。




(なんで?

今までこんなこと、一度もなかったのに...

しかも、なんで今日なのっ??)




イヤな胸騒ぎがした。



冬真君がゲットビッガーだからか、それとも初恋の相手だったからか。



いつかいなくなっちゃうんじゃないかって、いつかは離ればなれになっちゃうんじゃないかって。



大好きになればなるほど、なぜかそんな不安が募っていった。




(だからっ...、だからっ!)