(全然、気づかなかったな...)





ずっと一緒にいたせいか、私が鈍感だったのか。




剛のいきなりの告白は、私にとってかなりの衝撃だった。







あのあとしばらく剛に抱きしめられ、「ごめん。」と一言だけいった剛はそのまま、立ち去った。




私が教室に戻ったころには、時計の針がすでに6時10分を過ぎていた。




もちろんその場に、冬真君の姿はなくて。





「はぁ~。」





剛の気持ちを容赦なく傷つけてしまった自分と、待っていてくれていたはずの冬真君に間に合わなかった自分にあきれて、私は大きなため息をついた。





(...帰って、レオ君に謝ろう。)





重たい自分の足を、ただただ『冬真君』に謝りたい一心で、私は家まで足を走らせた。