次の日の朝、私が目を覚ました時には、もうレオ君の姿はなかった。
「お母さん、レオ君は?」
制服に着替えた私は、台所で朝ご飯を作っているお母さんに聞く。
「レオ君なら、お父さんとお洋服買いに言ったわよ。」
それを聞いた瞬間、私の顔は青ざめる。
なぜなら、うちのお父さんのファッションセンスは、とてつもなく理解不能なダサさだからだ。
どうせなら私は、お父さんに白衣以外、着てほしくない。
「お、お母さん...
本当にお父さんに任せていいんですか?」
「そんな、お父さんに任せられるわけないじゃない!
私が任せたのは、お父さんじゃなくてレオ君よ。」
(5歳のレオ君に任せる?!
うちの親も、変わったもんだ...。)
そう思いながら時計を見ると、もうすでに登校時間を指していた。
「あっ、遅刻しちゃう!
お母さん、じゃあ私いってきます!!」
「いってらっしゃ~い。」
そういって私は家を出た。