ペンを取ろうとした俺の手に、日葵の手が重なった。




「...えっ?」




重なった日葵の手が、小刻みに震えているのを感じた。




「おまえ、手ぇ震えて...」




俺がそういいかけた時、ギュッと日葵の手に力が入った。




 チュッ




その瞬間、俺の頬に刻まれたのは、思いもよらなかった柔らかな感触。


日葵のまさかの行動に、俺は一瞬、心臓が止まってしまった。




(...えっ?)




俺の頬には、日葵の柔らかく少し温かい唇の感触が、まだはっきりと残っている。




「日葵、おまえ今...」




俺の言葉を遮るように、さらに日葵の手に力が入る。




「わっ、わたし!

今は、こ、こんなのしか、できないっけど.../////」




俺をジッと見つめながら必死にそういう日葵は、顔も真っ赤で、手も震えていて。




(こんなことされたら...)



「...もう、我慢できねぇ。」



「えっ?」