そういって日葵は、慌ててテスト用紙を俺から隠す。
(やっぱり、わかりやす。)
「...なんで、隠した?」
「いやっ、その~...」
「俺に見せろよ、そのテスト。」
「で、でもこれは...」
「お前が見せねぇんだったら、無理やり奪うぞ。」
「ヴッ...」
『無理やり奪う』の一言が相当効いたのか、日葵はしぶしぶとテスト用紙を差し出した。
「...なっ、32点?!
お前、これヤバくねぇか...。」
「わかってるんです...
わかってるから、見せたくなかったんですぅ!!」
俺のリアクションに、口をとがらせてさらに落ち込む日葵。
(うっわ~。
その顔、かわいくねぇか...///)
日葵のこんな顔でさえもカワイイと思ってしまう俺は、『恋』というものにうぬぼれているんだろう。
「...で?
どうすんの、これ。」
「どうするって...
今まで見たいに、頑張って勉強する...とか?」
「おまえ、英語苦手なの?」
「そう...なんです...。
他は全部いけるんだけど、なぜか英語だけは...」
そういった日葵はまた落ち込んで、「はぁ~」とため息をついてうつむいた。