日葵を好きになって、気づいたことがある。
俺にはどうやら『独占欲』というものがあり、なにかと『嫉妬深い』ようだ。
「お前のせいだぞ、日葵。」
「えっ?なにが??」
いきなり意味の分からないことを言われ、混乱する日葵。
でも、こうやって日葵を困らせることも、俺の一つの楽しみである。
「おーい、こないだの英語のテスト返すぞ~。」
そういいながら教室に入ってきた、だらしのない担任。
次々と呼ばれていく、生徒の名前。
「えーと、篠原~。
しのはら~、いないのかー。」
「あっ、はい!」
なんだかソワソワした様子の日葵が、テストを取りに行く。
(なんかあんだな、あの感じは。)
席に戻った日葵は、どんよりとしたオーラを漂わせている。
(わかりやすすぎだろ...コイツ。)
「どうしたんだよ、日葵。」
「な、なんでもない、です...」