『永遠の愛』を約束するものが現れると、その時点でもう、毎日子どもの姿に戻ることはなくなる。
だが、それだけで完全に『呪い』が解けたわけではない。
『永遠の愛』を誓った者と子どもができ、自分の子から孫が生まれて5歳になるまで一緒にいられると、『呪い』は完全に解け、普通の人間として年をとってこの世を去ることができる。
だからつまり、俺のおばあちゃんは俺が5歳になった時点で、完全に呪いが解けて、子どもの姿に戻ることは永遠になくなった。
しかし、お母さんの場合は違う。
お母さんには、まだ孫がいない。
だから、『永遠の愛』を約束したお父さんがいなくなったことで、もとのように子どもの姿になったり、大人の姿に戻ったりすることになる。
それだけではなかった。
俺のお母さんのケースは、さらに最悪なものだった。
お父さんが急にいなくなったのが、お母さんにとってあまりにも大きなショックだったのだろう。
いままでの記憶はすべて消え、体も永遠に5歳児のまま。
だから、俺が息子だってことも覚えていない。
俺はあの夜、お父さんとお母さんの両方を同時に、失ったんだ。